Smiley face

 段ボールや色とりどりの粘着テープ、割り箸や毛糸が床を埋め尽くす中、小学生の男の子たちが、真剣なまなざしで工作に熱中していた。

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「こどものまち」で「武器屋」の仕事につき、段ボールやテープで刀を作る子どもたち=3月28日、東京都豊島区

 作っていたのは、刀や銃など。大人が「危なくない?」と言いたくなるような物ばかりなのは、3月下旬、東京都豊島区に期間限定でできた「こどものまち」の中にある「武器屋」での風景だからだ。武器を模した工作は「デパート」で人気商品。かっこよく作るほど、こどものまちの通貨で高く買い取ってもらえる。

「こどものまち」で遊ぼう

 大人がいない、子どものための「こどものまち」は全国に広がっています。春休み中、東京都豊島区内に作られた「まち」に密着し、のびのび過ごす小学生たちの姿を見つめました。全5回の連載の3回目です。

 長さ60センチほどの大きな刀を黙々と作っていたのは、小学6年の西川和真さん(11)だ。段ボールで芯を作り、灰色のテープをぐるぐる巻く。つばには水色のテープを巻き、同色で刀に装飾もつけた。

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「こどものまち」で「武器屋」の仕事についた小6の西川和真さんの力作の刀(中央)=3月27日、東京都豊島区

 「けっこう凝って作ったから、高く売れるといいな」。売りに行くと、「これはかっこいい!」と相場よりも7倍ほど高く買い取ってもらえた。思わず笑みがこぼれる。

 西川さんは昨年に続き2回目の参加で、連日、武器屋で武器を作る。「見た目がかっこよくて好きなんだ」。自宅の棚には、お小遣いをためるなどして買ったエアガンが並ぶ。気に入ったデザインは模写し、家でも厚紙やつまようじなどで工作をする。

工作でも「危ない」と言われて

 ただ、親からあまりいい顔は…

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